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1994年、羽鳥兼市が福島県郡山市にて創業。中古車買取のパイオニア。中古車販売においてもリーディングカンパニーに成長。自動車流通業界の変革に「挑む(いどむ)」ことに想いを込め、2016年7月に株式会社ガリバーインターナショナルから、株式会社IDOM(いどむ)へ社名変更。「ガリバー」ブランドを中心として、日本全国に492店舗展開(2025年11月末時点)。
中古車買取・販売トップランナー「ガリバー」を展開する株式会社IDOM(以下、IDOM)は今、単なるシステム刷新ではない、ビジネスモデルの変革に挑んでいます。
売上高5,620億円、店舗数444店舗、認知率94.9%という基盤を持つ同社が中期的に見据えるのは、「売上高1兆円を通過点」とすることです。
2026年10月には「Gulliver AX宣言」を発表。あわせて、デジタル戦略本部を「AX戦略本部」へ、戦略子会社IDOM Digital Driveを「IDOM Intelligence & Technology」へと改称しました。
IDOMが進めるのは、店舗ごとの利益を中心に管理する「プロフィットマネジメント」から、業務プロセスを整える「プロセスマネジメント」への変革です。
2025年11月にSalesforceによる顧客接点システムを初回リリースし、2026年8月には未成約のお客様への自動追客にAgentforceを導入しました。
こうした取り組みをAIの活用によって加速させるのが、「Gulliver AX宣言」です。クルマ選びから購入後のカーライフまで寄り添う「まちのクルマ屋」の実現に向けて、2030年までを目標に、商談・商品調達の双方で自律型AIエージェントを活用する方針を掲げています。
背景にあるのは、AIによって競争の前提が変わるという強い危機感です。株式会社IDOM AX戦略本部長 兼 株式会社IDOM Intelligence & Technology 代表取締役社長の野原 昌崇氏は、OpenAIが設立から約10年でGoogleを脅かす存在になった例を挙げ、将来の競争相手は現在の同業者とは限らないと指摘します。
既存の事業基盤を持つ企業だからこそ、従来の強みにとらわれ、変化への対応が遅れるリスクがあります。一方、AIエージェントの活用には、土台となる業務アプリケーションやデータの整備が欠かせません。その整備が終わるまで競争環境の変化は待ってくれないからこそ、IDOMはDXとAXを並行して進めているのです。

IDOMが描くAXでは、商品調達と商談の双方で自律型AIエージェントを活用します。顧客接点にはSalesforceのAgentforceを、データ・AI基盤にはDatabricksを採用し、取り組みを段階的に進める方針です。
商品調達では、担当者の「勘・経験・度胸」に依存しブラックボックス化していた判断を可視化し、必要なロジックをAIエージェントに実装します。店舗の商品構成の設計から、オークション仕入れ、売価設定、価格更新までをAIエージェントが担い、人は個別のオペレーションに入らず、オン・ザ・ループ(監視・監督)に徹する仕組みを目指しています。
また、商談では、LINEを通じたAIエージェントによる提案から契約までをオンラインで完結させるモデルを構想しています。店舗や営業スタッフの重要性は変わらないとしながら、オンラインで購入したいお客様にも新たな利便性を提供する考えです。
業務をAIエージェントに委ねる一方で、どのリスクを引き受けるかは人が決断する。野原氏は、AI活用が進むなかでも、人が担う判断と責任を重視しています。
DXとAXの並行推進を支えるには、AIエージェントの土台となる業務アプリケーションの開発を急ぐ必要があります。
野原氏は、Copado採用との関係を次のように説明します。

「同時推進だからこそ、DXレイヤーとなるSalesforceにおける業務アプリケーション開発は急がなければならない。だから “時間を買う” 必要がある、だからCopado採用必然、という流れです。」
現状は、現場から集まった要望を整理して設計に入り、月1回程度の周期でリリースしています。機能追加に伴い、既存機能への影響を確認するリグレッションテストの負担も増えています。
野原氏は、開発工程をV字モデルで捉え、テストなどV字の下流にあたる定型作業は自動化し、要件定義や基本設計といった上流の検討に人の時間を振り向ける考えです。Copadoによってリリース運用やテストにかかる時間を短縮し、生み出したリソースを、顧客体験の向上やビジネスモデルの変革につながる企画・要件定義・設計へ振り向け、事業成果につなげていきます。
IDOMはSIerとの協業体制のもと、専門リソースを事業価値の創出に活かすため、まずはCopado Robotic Testing(CRT)によるテスト自動化に着手しました。利用者の操作を一連の流れとして再現するリグレッションテスト(回帰テスト)の代表ケースを作成し、従来の手動テストを自動化できることを確認しました。
約12時間を要するリグレッションテストを自動化: 1リリースあたり結合テスト・システムテスト合計で約12時間を要していたリグレッションテストを、自動化によって「実行は待機のみ」という状態へ。実行中の手動操作工数を実質ゼロにします。
スノーボール効果の抑制: 機能追加のたびにテスト範囲が膨らみ、工数が積み上がる「負の複利」を、自動化によって抑えます。
テストの実行時間やスクリプトの作成・保守は必要ですが、準備したテストを繰り返し実行する際の手動操作を減らせる点に効果があります。
店舗スタッフの業務には、Salesforceと別の基幹システムへの二重入力などの負担が残っています。
運用・リリースを担う、株式会社IDOM システム基盤変革セクションリーダーの森田 里美氏は、AIエージェントの活用には、土台となるデータや基盤の整備が必要だと考えています。

「私の役割は1日でも早く現場での業務課題が解決できるよう、スピードと品質を担保しながらサービスの機能をアップデートしていくことだと思っています。その手助けとしてDevOpsの活用は必須です。」
日々の運用で気づく「使いづらさ」や「もっとこうしていきたい」という声をユーザーストーリーとして整理し、改善につなげる。
その実践を支えるため、Copadoの活用をテスト自動化からCI/CD、Copado AIへと段階的に広げ、月1回程度のリリースから、2週間に1回程度と短い周期で改善を届ける体制を目指しています。
Copado AIの導入により、運用チームのスキル向上とSIerとの役割分担の最適化が進むことで、将来的には内製化ハイブリッド体制への移行を見据えています。
IDOMが目指すのは、クルマ選びから購入後のカーライフまで、お客様一人ひとりに寄り添う「まちのクルマ屋」の実現です。DXとAXを並行して進め、顧客体験の向上とビジネスモデルの変革につなげていきます。
その変革を牽引する野原氏は、技術の進化を自ら確かめ、会社の将来に向けた判断を重ねています。
「新しい技術が事業にどんな影響をもたらすのか。まずは観察し、必要なら実際に試して、自分自身で感覚をつかむようにしています。AIが判断を支えるようになっても、どのリスクを引き受けるかを決断するのは人の役割です。数年後に『あのとき動いていれば』と後悔しないよう、会社の将来を守るために、今必要な判断をしておきたいと考えています。」
Copadoで「時間を買う」。
その投資を、品質を保ちながら新たなサービスや改善を届ける力に変え、事業工程の「サイクルアップ」により生産性・売上・利益の向上につなげていく。「まちのクルマ屋」の実現を支える開発・運用基盤として、IDOMはCopadoの活用を広げていきます。
